COMPANY
健康でいられる居場所づくり
取締役会長 芝山さゆり
私たちの仕事は、建設業でも住宅産業でもなく、健康産業だと思っています。そう思ったきっかけのひとつに、ニセコ町で見た光景があります。学校帰りの女子高生や町に住むお年寄りが役場に集まり、おしゃべりをしたり、窓辺で日向ぼっこをしていたのです。ニセコ町役場は、早田がアドバイスをさせていただいた国内トップレベルの気密断熱性を持つ建物です。冬場は1 2 mの降雪がある地で、外気とは切り離された暖かな場所。人々は自然とそこに集っていたのです。全国のどこに、女子高生が立ち寄ってしまう庁舎があったでしょうか。健康とは何かを考える時、躯体から受ける影響は小さくありません。それは住宅に限らず、幼稚園、病院、学校、宿泊施設、庁舎、全てに共通します。かつて私は、幼稚園でインターンとして働き、その後小学校で教鞭をとった経験があります。暑さ・寒さに耐えながらお着替えやおトイレをすることは、大人がそうであるように、子どもにとってもストレスです。教育をする場が健康的ではないとしたら、こんな悲しいことはないはず。人間は、体を守れる建物に無意識に集まります。健康でいられる空間づくり。それは私たちが考える社会課題の解決策のひとつです。